おじいちゃんのラブレター
【 2017年07月14日 AM 07:46 】
こんにちは。
共感文章の専門家
中尾ミカです。
今日、7月14日は、
父の誕生日であり、
祖母が天国に旅立った日です。
祖父は、祖母がお腹に父を宿したのち、
戦地に行き、病死。
祖母は女手ひとつで、ひとり息子の父を育て、
大学まで行かせました。
祖母が47歳のとき、初孫である私が生まれました。
私を初めて抱いたとき、こう言ったそうです。
「自分の人生に、
こんなに幸せな瞬間が訪れるとは思わなかった」
それから2年後、
祖母は、49歳の若さで亡くなりました。
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15年ほど前の夏休み、
実家に帰っていた私は、ある箱を見つけました。
そこには、祖母の遺品が収められていました。
紐でとめられた、ハガキの束。
ほどいてみると、それはすべて
当時、大阪に赴任していた祖父から
香川にいる祖母に送られたものでした。
その中の1枚を、私は手に取りました。
日付からすると、おそらくこのハガキを書いた直後に
祖父は戦地に。
おじいちゃんの素直な気持ちを書いた
おばあちゃんへの最後のラブレター。
ラスト一行にこめられた祖父の想いが
一気に私の胸に入り込んできて、
涙が止まらなくなりました。
申し訳ないことに、
私の記憶には、祖父も祖母もいません。
でも、確かに、二人はいて
生きて、愛しあって、
だからこそ、今ここに、自分が存在している…
そのことを実感した瞬間でした。
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あきみさん、お元気ですか。
私は元気です。
元気ではありますが、
男のひとり暮らしですから、
いろいろ大変です。
掃除は床を丸く掃く程度だし、
洗濯も適当だし。
炊事は、簡単なものを作って何とか食べていますが、
一人では味気ないですね。
今ここに、あなたがいてくれたら、と思います。
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私はコトバのチカラを信じています